ボーカルステージング・歌唱パフォーマンスの参考に!プロ振付師が厳選したお手本ライブ動画10選
- うぽる
- 7月18日
- 読了時間: 8分
更新日:7月19日

ステージで歌うときに、パフォーマンスに苦手意識がある……
歌いながらどんなステップや手のうごきをつければいいのかわからない……
間奏で手持ち無沙汰になってしまう……
筆者は、振付師・ダンス講師として、また自身も元ボーカリストとして、多くのアーティストさんのサポートを行ってきました。
プロで活躍するシンガーさん・アーティストさんの中にも、このような悩みを密かに抱える人は意外と多いのです。
歌や発声のトレーニングは積んできた方がほとんどですが、パフォーマンスについてはレッスンを受ける機会がないので、いざステージに立つと正解がわからず不安になってしまうんですね。
今回はそういったシンガーさん・アーティストさんのために、ボーカルステージングのお手本として参考になるライブ動画をピックアップしました。
いろんなお手本を見て、自分がどんなパフォーマンスをしたいのかイメージをふくらませたり、動きのボキャブラリーを増やすための参考に活用してくださいね。
水樹奈々「Synchrogazer」
アニソンの女王といえば、水樹奈々さん。
とにかく情熱的なパフォーマンスが持ち味です。
幼少期から歌謡曲歌手として鍛錬を積んできた方なので、歌謡曲のパフォーマンスとしてもとても参考になります。
観客への煽りも、腕の軌道や姿勢が安定しているので「魅せる煽り」という印象なのにも注目。
水樹奈々さんのステージは観客のエネルギーレベルも相当高いですが、そのエネルギーに負けない強い軸は、圧倒的なスキルと経験、強靱なメンタルや体力の為せる技だなと、舌を巻くステージングです。
中森明菜「飾りじゃないのよ涙は」
昭和歌謡曲でお手本をお探しの方はこちら。
落ち着いた、しっとりしたパフォーマンスが魅力です。
パフォーマンスに重点が置かれているのではなく、あくまで歌唱が優先の構成ですが、ちょっとした目線の配り方や姿勢・さりげない肩の使い方による色気の出し方がとても参考になります。
ステージ内の歩き方・歩くタイミングにも注目して研究してみてくださいね。
DREAMS COME TRUE「何度でも」
コール・アンド・レスポンスなど、お客さんと一体になるステージングをしたい方はこちら。
野外フェスドームライブなど、空間が広い会場で特に映えるので、「普段小さめのライブハウスで歌うことが多いけど、次のライブは初めての大きなステージで歌える予定がある」などの場合には、一見の価値あり。
目線の運び方や、おおらかな身体の使い方で、客席の奥の方、3階席まで取り残さないステージングです。
アイナ・ジ・エンド 「Frail」
バックダンサーがついているステージや、そうでなくてもダンサブルな楽曲のとき。
振付は踊らなくても、ダンサブルな雰囲気を出せるパフォーマンスとしてとても参考になります。
(この曲はサビなど一部のセクションには振付がついていますが、それ以外の部分に特に注目!)
このような雰囲気を出したければ、ダウンやアップなど、ストリートダンスの基礎的なリズム取りや、アイソレーションなどはマスターしておきましょう。
Beyoncé「Love On Top」
モダンR&B&ポップスの女王、ビヨンセ。
これまではすべてJ-popで紹介してきましたが、「もっと海外っぽい雰囲気にしたい!」という方、パワフルなDIVA感がほしい方は、こちらが参考になります。
また、スタンドマイクを使ったパフォーマンスなので、「スタンドマイクだと動けなくて見た目が単調になってしまう」という方にもオススメです。
このDIVA感、洋楽らしいノリをマスターしたいなら、ダンスの基礎的なリズム取りをマスターしておく必要があります。
伊藤美来「La-Pa-Pa Cream Puff」
もっとアイドルっぽい可愛いのはないの?と思った方。
アイドルのパフォーマンスは、ソロであっても振付を付けることが多いのですが、こちらの楽曲は「アイドル系のかわいらしさなのに振付らしい振付がない」という点で、お手本としてはかなり貴重です!
似た系統だと田村ゆかりさんもオススメなので、探してみてくださいね。
Def Tech「My Way」
ここまでは女性アーティストを中心に紹介してきましたが、ここで男性アーティストを。
レゲエやラップ、ヒップホップ系のパフォーマンスの参考として、男女問わず参考になる身のこなしです。
歌中のダウンの取り方、手の使い方はもちろんですが、冒頭アカペラ前にふたりで緊張感をつくりだす、集中力の高さにも注目してください。
徳永英明「壊れかけのRadio」
同じく男性アーティストですが、メンズでバラード系なら徳永英明さんが参考になります。
安定した立ち姿と、動きは決して派手ではないが効果的かつ印象的な手先の使い方に注目。
ポップスバラードだけでなく、シャンソン、演歌、ミュージカルのバラード曲などにも同じく参考になるでしょう。
似た雰囲気なら平井堅さんのパフォーマンスもとてもおすすめです。
Reol「VIP KID」
和製Lady Gaga的な狂気が感じられるReolさん。
すべてポーズ、目線、指先、ひとつひとつに一切の迷いがなく圧巻のパフォーマンスです。
「こんなに激しい曲は歌わないよ」という方でも、この一切の迷いのなさは、ジャンルを問わずすべてのアーティストに参考にしてほしいなと思います。
アーティストが動きに迷ったとき、観客は音楽の世界観から現実に引き戻されます。
歌の世界観を壊さないためにも、アーティストには迷いのない質の高いパフォーマンスが求められるのです。
BENI「歌うたいのバラッド」
これまでの参考動画を見てきて、「こんなに動かないといけないの?こんなに激しく動いたら歌がうまく歌えない!」と思われた方。
素敵なパフォーマンスのためには常に大きく派手に動かないといけないかというと、もちろんそんなことはありません。
ということで、動きとしては派手ではありませんが、圧倒的な存在感のこの方を。
美しい立ち姿と、常に絵になる表情管理、高い集中力をぜひ参考にしてください。
majiko「心做し」
BENIさんと同じく、動きに派手さはありませんが、同じく高い集中力で、見る人の心を離さないパフォーマンスのこの方を。
自分の世界に入り込んだら、一瞬たりとも出てこない。素を魅せない。
見る人を置いていかず共感に巻き込むパフォーマンスのお手本です。
BENIさん、majikoさんに共通するのは、一瞬たりとも途切れない集中力。
それさえあれば、大きな動きをしなくても、見る人を引きつけるパフォーマンスは構築できるのです。
でも、「大きく動いてしまった方が実は簡単」というのもまた事実。あなたはどちらから攻めますか?

以上、「ボーカルステージングのお手本動画10選」(実はオマケも込みで11選)をお届けしました。
良いお手本を見てイメージを膨らませることはとても意義のあることですが、「こんな風に自分もパフォーマンスできるようになりたいけど、どうも上手く真似できない」という方もいらっしゃるでしょう。
実際、「イメージした通りに動けるようになる」ということ自体、やってみるととても難しいものです。
パッと見は簡単に見えるリズム取りやちょっとしたステップも、実はダンスのリズムトレーニングを積んだ賜物だったりします。
今回取り上げたアーティストたちは、「魅せる」パフォーマンスを
・計算して意図的にくりだすシーン と
・センスや身体感覚から自然と表現できているシーン
の両方によってステージを構成しています。
前者はレッスンや練習を通じて習得した“スキル”の結果、
後者はご本人がもともと持っていた“センス”や“身体の使い方”が発揮されたものですが、
いずれにせよ、大量のトレーニングと試行錯誤があってこそ、結果的には「自然に見えるパフォーマンス」が生まれているのです。
映像を参考にするときは、
• どこで意図的に“魅せる”工夫をしているのか
• どこがセンスや無意識の身体表現によって成り立っているのか
に注目してみてください。
その違いを知ることで、自分の練習法や改善ポイントがよりクリアになるはずで、
いかに練習が重要かがお分かりになると思います。
また、後者の「センス」や「身体の使い方」も、もともと生まれ持ったものだけでなく、ご本人がこれまでにしてきた大量のトレーニングの賜物である部分が多分にあります。
(それらのそのトレーニングの中には、美的センス、身体的センス、クリエイティブセンスだけでなく、いわゆるストレッチや筋トレ、姿勢改善などのトレーニングも含まれます。)
「私にはセンスがないから」と諦める必要はありません。
センスは磨くことができます。
何歳からでも、どんな人でも。

でも、「ボーカルのステージング」は、実は学ぶ場所がほとんどありません。
歌唱力自体はボイトレで向上できても、「歌が上手い=ステージングが上手い」ではありません。
でも、いわゆる「ダンススクール」に通うのは、ハードルが高いですよね。
振付・ダンス総合コーディネートサービス「Dignitive」では、
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この記事のライター

うぽる
振付・ダンス総合コーディネートサービス「Dignitive」代表。TRFのSAM氏、ETSU氏らに師事し、13歳でTRFバックダンサー、AAAのバックダンサーとして活動。その後歌手活動やラジオパーソナリティなどを経て、2013年から振付師・ダンス講師に。生徒に向き合う丁寧な指導と高品質な振付、ボーカルステージングに特化した提案には定評がある。
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